追い越し車線にクルマを止めてのケンカは罪が重い---被告の控訴棄却

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昨年1月、茨城県つくば市内の常磐自動車道で割り込みを巡ってトラブルとなったドライバー2人が追い越し車線にクルマを止めて殴り合いのケンカをしている際、後続車が突っ込んで5人が死傷した事故で、クルマを止めてケンカを誘発したとされる31歳の男に対する控訴審の判決公判が26日、東京地裁で行われた。裁判所は一審の水戸地裁判決を支持し、被告側の控訴請求を棄却する判決を言い渡した。

この事故は2002年の1月12日に早朝に起きている。常磐自動車道を走行していた大型トレーラーと乗用車の間で、追い越し車線への割り込みを巡る交通トラブルが発生した。乗用車側のドライバーはトレーラーの運転手に文句を言おうと、自分のクルマをトレーラーの前方で徐々に減速して強引に停止させた。

トレーラーの運転手も腹を立ててクルマを降りてきたことから、現場で殴り合いのケンカに発展した。しかし、そんな事情を知らない後続車が停車中のトレーラーの後部に激突。乗っていた5人が死傷するという事故になった。

警察では2人を双方に対する傷害容疑と、5人が死傷する事故を誘発した業務上過失致死傷容疑で逮捕しており、裁判も同罪での責任を問うものとして進行した。一審の水戸地裁では「最初にクルマを停止させた男の責任はより重い」として懲役4年6月の実刑を。別の裁判で裁かれることになったトレーラーの運転手に対しては懲役2年8カ月の実刑判決を言い渡していた。

今回の控訴はこのうち乗用車側の男が「量刑不服」として行っていたものだが、東京高裁の村上光鵄裁判長は一審の水戸地裁判決を全面的に支持し、被告の控訴を棄却する判決を言い渡した。

27日には同様に量刑不服で控訴しているトレーラー運転手の判決公判が開かれるが、こちらでも一審が支持される可能性が高そうだ。

《石田真一》

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