路線バス運転手が1年4カ月無免許、しかも発覚恐れて替え玉

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名古屋鉄道(名鉄)は19日、同社のバス部門(岡崎統括自動車営業所)に所属する37歳のバス運転手が免許の更新を忘れ、失効させたまま乗務に就いていたことを明らかにした。交通事故の発生によって免許失効が発覚したが、会社は別の運転手を立てて、警察へ事故を報告したという。

名鉄によると、問題の事故は今年2月19日の夜に発生している。愛知県岡崎市内のバス停で37歳の運転手が乗務するバスが停車していたところ、後方から走ってきた軽自動車が低速で追突した。だが、バスはこの追突に気がつかずそのまま発進。軽自動車を運転していた女性が岡崎署に事故の発生を届け出た。

岡崎統括自動車営業所では当時乗務していた運転手を警察に出頭させようとしたが、この段階でこの運転手の免許が2001年10月で失効していたことが判明した。約1年4カ月間、無免許状態で乗務していたということになり、営業所の運行主任は事態の発覚を恐れ、別の運転手を警察に出頭させる措置を取った。

営業所長は名鉄本社の自動車事業本部に対し、運転手への処分も含めて対応策の検討を求めたが、この報告は担当課長が受け付けた段階で事実上握りつぶされる形となり、上層部への報告は一切行われなかった。

営業所が独自に行った調べの際、この運転手は「免許失効には気がついていたが、失効後6カ月の更新手続き期限切れ直前に自宅が火災で全焼し、その対応に追われて免許のことが頭から飛んでいた」と供述。今年3月5日付けで自主退社している。

替え玉問題は今月10日に行われた中部運輸局愛知運輸支局の監査で発覚しており、本社サイドはその段階で不正の事実を知ったという。

同社は20日に会見を開き、警察への事実通報を報告するとともに、社長自らが自身の減給処分を決めた。名鉄では「あってはならない不祥事で、誠に申し訳ない」と陳謝する社長コメントを発表している。

《石田真一》

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