名古屋鉄道・岡崎統括自動車営業所に所属するバス運転手が1年4カ月にも渡って無免許状態で路線バスの運行を行っていたという問題で愛知県警は24日、すでに退職している37歳の元運転手を道路交通法違反(無免許)で、身代わり出頭した別の運転手を犯人隠避の容疑で逮捕したことを明らかにした。
この運転手に身代わりを命じた運行責任者についても今後犯人隠避容疑で逮捕することを視野に入れ、捜査を進めていくとしている。
これは今年2月19日に発生している。名鉄バスの岡崎統括自動車営業所に所属する37歳の運転手が乗務していた路線バスが、20歳の女子大学生が運転するクルマに追突されるという事故を起こしたというもの。
この女子学生は追突の事実を警察に通報し、警察が営業所へ事情聴取に訪れる直前、担当運転手が免許証の更新を忘れて1年4カ月間に渡って無免許運転で乗務を続けていたことが発覚した。
同営業所の運行管理者は無免許運転の発覚を恐れ、運行管理簿の記録を改ざんした上で別の運転手が乗務していたことにして、歳が同じ37歳の運転手に警察への取り調べに応じるように命じた。
運行管理者は営業所長に顛末を報告。営業所長は不祥事の発生を本社に通報したが、本社の担当者は会社上層部に報告せず、これを握り潰したという。無免許運転を続けていた運転手は責任を取り、3月上旬で自主的に退職した。
警察では関係者から事情を聞いてきたが、現時点で無免許運転を続けた元運転手、上司からの命令に応じて身代わりを受け入れた運転手については刑事責任を免れないとして、それぞれ道交法違反と犯人隠避の容疑で逮捕した。
また、身代わりを命じた運行管理者についても今後の逮捕を視野に入れた取り調べを進めていくとしている。