行政処分命令書を直に渡す---札幌市バスの飲酒事故

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国土交通省・北海道運輸局は15日、酒気帯び状態のまま乗務し、当て逃げ事故を起こした路線バスの運転手が所属する札幌市交通局・東営業所に対し、路線バス車両5台について1台あたり38日間(延べ190日間)の使用停止を命じる行政処分を言い渡したことを明らかにした。

この事故は6月10日の午前8時5分ごろ、札幌市東区豊畑付近の市道交差点で発生している。札幌市交通局・東営業所に所属する54歳のバス運転手が信号待ちをしていた軽トラックの後部に追突。そのまま現場から走り去った。

軽トラックの運転手から通報を受けた警察官がアルコール検知検査を実施したところ、酒気帯び相当量となる0.2ミリグラムのアルコールを検出したため、道路交通法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の疑いで検挙している。

警察の調べに対し、この運転手は「乗客から質問され、クラッチから足を離してしまったらしいが、ぶつかったことには気がつかなかった」と供述。前夜に自宅で自宅でビール500ml入り1缶と、水割りを5〜6杯飲んでいたことも認めた。

運転手は事故当日、深酒の影響のためか遅刻し、乗務前に行う点呼をパスしていた。点呼時には運行管理者によるアルコールチェックが行われるが、男はこれも受けていなかったために酒気帯び状態が看過されていた疑いが濃くなった。

北海道運輸局では6月18日にこの運転手が所属する営業への特別監査を実施。問題の運転手は飲酒事故を起こした責任を問われて同20日付けで懲戒免職処分となっている。

北海道運輸局では、運転手に対する乗務8時間前の飲酒禁止ルールが徹底されていなかったことや、事故を起こした運転手は当日の点呼をパスしているにも関わらず、帳簿上では「点呼を受けた」と記載されているなどの事実隠蔽行為を指摘。同営業所に配置される105台の車両のうち、5台について1台あたり38日間の車両停止処分を命じた。延べ日数は190日となり、非常に厳しい内容となっている。

また、通常は管轄地域の運輸支局長が事業者に対して手渡す行政処分命令書を、「酒気帯び運転による事故で社会的影響が大きい」と判断した運輸局長自らが直接手渡すなど、異例とも言える措置が取られた。

札幌市交通局は地下鉄の運転士による居眠り事故でも運輸局の監査を受けており、こちらの処分内容も近々明らかになる模様だ。

《石田真一》

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