広島県警は16日、広島市内の中心部で駐車違反の摘発を受けた違反者を対象とした聞き取り調査の結果を明らかにした。短時間の駐車であれば路上駐車も止むを得ないと判断する若いドライバーが目立つという。
これは広島県警・交通部(駐車対策室)がまとめたもの。5月下旬の一週間、広島市中心部で実際に駐車違反の摘発を受けた100人の違反者を対象に「どうして路上駐車を行ったのですか?」と質問。駐車違反を行った動機など、違反者の意識を調べている。
路上駐車を行った動機として最も多いのが「業務上の立ち寄りのため」で、全体の34%を占める。次いで知人宅への訪問が20%、買い物10%と続く。違反者の多くは「仕事での訪問先に駐車場が無く、路上に置くことが慣例化している」、あるいは「短時間しか滞在しないのだから駐車場代が無駄」と回答しており、これは駐車違反を行った言い訳として最も多かった「ちょっとだからいいじゃない」に通じるものがあるという。
短時間の停車だから路上駐車も許されると判断する傾向は年齢を問わずあるのだが、年齢が若くなるにつれ、違反者が言うところの「ちょっと」の時間が長くなる傾向にあるのも特徴のひとつだ。20歳代以下では1時間までが「ちょっと」に当たるが、30歳代、40歳代ではこれよりも短い時間を答える人が多かった。
高齢者の場合、路上駐車に踏み切る理由として「有料駐車場が遠すぎる」、「駐車場から歩くことが面倒」と答える人が多かったのも興味深い特徴だとする。こうした理由を掲げた人に「自分が用事のある場所から何メートル以内だったら有料駐車場にクルマを置くのか?」という質問を行ったところ、もっとも多かったのは「50m以内」で、その距離以内に有料の駐車スペースがあればそちらに、無ければ路上に止めることは止むを得ないと考える人が過半数を超えていた。
県警では「ドライバーのマナーが年々低下しているのは理解しているが、自分のことしか考えない人が増えていることも路上駐車が増えた一因ではないか」と分析している。