うっぷん晴らしでパンク、そして殺人未遂

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うっぷんを晴らす目的で駐車されているクルマやバイクを狙った器物損壊や放火を繰り返し、その様子を目撃した男性をナイフで刺して重傷を負わし、殺人未遂や放火、器物損壊の容疑に問われた49歳の男に対する判決公判が17日、東京地裁で行われた。裁判所は男に対して懲役10年の実刑判決を言い渡している。

この事件は東京都中野区で連続発生した駐車車両を標的とした連続放火、器物損壊事件が発端となっている。

中野区弥生町4丁目、それと隣接する弥生町2丁目では昨年9月以降、道路に面するなど比較的目立ちやすい場所に置いてあるクルマやバイクが標的となる器物損壊や放火が相次ぎ、同じクルマが数回のパンク被害に遭ったり、2日連続でシートを鋭利な刃物で切られたバイクが3日目に燃やされるといった被害が出ていた。

被害が相次ぐ中、昨年12月15日に放火現場を目撃した近所の男性が犯人を追跡。一度は取り押さえたが、犯人から腹部をナイフで刺されて一時意識不明の重体となる殺人未遂事件にも発展。捜査の結果、近くに住む49歳の男が犯行を認めた。

男は2000年に起した詐欺事件で当時は執行猶予中。うっぷんを晴らすために放火や器物損壊を繰り返していたが、現場を目撃されて捕まれば「刑務所に入れられてしまう」と考え、男性を刺したと供述していた。

17日の判決公判で、東京地裁の山室恵裁判長は「逮捕され、刑務所に入れられるのを恐れ、放火事件の一部始終を目撃した被害者にナイフを何度も振り下ろした犯行は身勝手で残忍であり、殺人未遂は成立する」と断定した。

その上で「閑静な住宅街で起きる連続放火や器物損壊が周辺住民に多大な不安感や恐怖感を与えたことは間違いない。うっぷん晴らしを目的にこうした行為を繰り返すこと事態、身勝手だ」とも認め、懲役12年の求刑に対し、懲役10年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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