無実を証明してくれと出頭してきた男が犯人---ひき逃げ

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路上に寝ていた男性が軽ワゴン車にひき逃げされ、死亡したという事件について警視庁は23日、「自分がやっていないということを証明してくれ」と出頭してきた男が犯行に関わっていた疑いが濃くなったとして、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕したことを明らかにした。ひき逃げ事件の容疑者がこうした形で逮捕されるというのは非常に珍しいという。

警視庁・成城署の調べによると、問題の事故が起きたのは22日の午前3時50分ごろだという。世田谷区桜上水3丁目と4丁目の境界にある区道で、近くに住む26歳の男性が泥酔した状態で路上に寝ていたところ、あすぎ色の軽ワゴン車がこの男性をはねて逃走したというもの。

男性は病院に収容されたが、内臓破裂などが原因で2時間後に死亡している。事故の一部始終は2人の通行人が目撃しており、この2人は倒れている男性に向かって走ってくる軽ワゴン車のドライバーに手を大きく振りながら制止を呼びかけたが、クルマはそれを無視するように通り過ぎ、男性を引いた後も何事も無かったように走り去ったという。

事件の発生がテレビや新聞で報じられた23日午前、容疑車両と同じあずき色の軽ワゴン車に乗った25歳の男が北沢署に出頭し、「ひき逃げ事件が発生した時間と同じ頃に近くを走っていたため、職場の同僚がひき逃げ犯はお前じゃないかとしつこい。目撃情報と似ているのも確かだが自分は関与していない」と言い、捜査員に自分のクルマを検分するように訴えた。

ところが交通捜査担当の捜査員が車両の検分を進めたところ、車体からは毛髪や血痕などが見つかったため、この男に対する取り調べを急きょ実施。男は当初「ひき逃げはしていない」と繰り返していたが、後に「人をひいた覚えはないが、何かに乗り上げた記憶はある」と供述を一変させたため、同日夜に業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)容疑で緊急逮捕した。容疑を認めて出頭したわけではないため、自首扱いにはしないとみられる。

男は調べに対して「人が寝ていたのは知らないし、制止しようとした人も見ていない」と供述しており、警察では男を厳しく追及し、事故発生のプロセスを調べていく方針だ。

《石田真一》

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