飲酒運転の発覚を恐れて……代償は友人の命

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3日未明、岩手県盛岡市で信号無視などの容疑でパトカーの追跡を受けていた乗用車が中央分離帯に激突、横転するという事故が起きた。この事故で乗用車に乗っていた19歳の少年1人が死亡。他の3人が重軽傷を負った。警察ではこのクルマを運転していた19歳の少年が飲酒運転の発覚を恐れて逃亡したとみて、調べを進めている。

岩手県警・盛岡東署の調べによると、事故が起きたのは3日の午前4時5分ごろだという。これに先立つ午前4時ごろ、県警交通機動隊の覆面パトカーが盛岡市大沢川原付近で飲酒運転などの取り締まりを実施中、1台のクルマが赤信号を無視して交差点を通過するのを確認。赤色灯とサイレンを使用した状態で追跡を開始した。

パトカーは逃走を続けるクルマに対して数回停止を呼びかけたがこれを無視。その後も数回の信号無視を繰り返したために追跡するのは危険と判断。パトカーはサイレンを停止してそのまま進行した。

クルマはその後も逃走を続けたが、盛岡市大通3丁目付近の市道を走行中に運転を誤って中央分離帯に激突、横転した。このクルマを追跡していたパトカーは事故発生からおよそ3分で現場に到着。乗っていた少年らの救助を行った。

運転していた19歳の少年は応援の要請を受けて駆けつけた盛岡東署員が業務上過失傷害の現行犯で逮捕したが、後に同乗していた19歳の少年が死亡したため、容疑を業務上過失致死傷に切り替えて取り調べを進めている。

警察の調べに対し、運転していた少年は「飲酒運転と信号無視の発覚を恐れて逃げた。免許停止になるのが嫌だった」などと供述しているという。クルマには4人の少年が乗っており、直前まで飲酒を含む食事をしていたが、運転していた少年の呼気からは酒気帯び相当量未満のアルコールが検出されるのみで、飲酒運転には該当しないことがわかっている。

警察では今回の追跡に関して「追跡に関しては無謀なものではなく、当該車両の逃走継続が確認できた状態で中止している。死者が出たのは残念だが、捜査は適正に行われたと判断する」とコメントしている。

《石田真一》

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