海道警は3日、タクシー強盗を行おうとした19歳の少年を強盗未遂容疑で緊急逮捕したことを明らかにした。カッターナイフを付き出す少年の手が震えていることに運転手が気づき、約2時間を掛けて説得し、出頭を促したという。
北海道警・(札幌)北署の調べによると、事件が起きたのは3日の午前7時45分ごろだという。札幌市北区北17条西5丁目付近の市道を走行していたタクシーの車内で、乗客を装って乗り込んだ19歳の少年が59歳の運転手の背後からカッターナイフを突きつけ、「強盗だ。金を出せ」と脅した。
しかし、この運転手はミラー越しに映った少年の手が震えていることに気がつき、 タクシーを路上に停車させた上で、「あのなあ、タクシーには強盗に出せるような大金は置いていない。こんなことをやっても何もならないし、強盗したときの罪はお前が考えているよりもずっと重いんだぞ」など、およそ2時間掛けて少年を説得。
やがて少年が警察への出頭に同意したため、そのままタクシーで同署に連れていった。警察では実際の犯行に及ぶ前だったとして、この少年を強盗未遂容疑で緊急逮捕している。 警察の調べに対し、少年は「勤務先に慣れることができずに退職したが、カネも無くなって、ムシャクシャしてやった」と供述している。
運転手は「先日起きた長野のバスジャック事件のことを思い出し、懸命に説得すれば大丈夫だと思った。大事にならなくてよかった」と話していたという。