相手は著しい交通違反---注意する必要はない

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歩道を走行していた原付バイクと衝突し、運転していた女性にケガを負わせていたことで業務上過失傷害の罪に問われて30万円の罰金支払いを命じられたタクシー運転手がが、この決定を不服として控訴していた刑事裁判で大阪高裁は18日、一審判決を破棄し、この運転手に対して逆転無罪とする判決を言い渡した。

判決によると、問題の事故は2001年8月に発生している。滋賀県大津市で旅館の敷地内から道路に出ようとしていたタクシーが、歩道を走ってきた原付バイクと出会い頭に衝突するという事故を起こした。バイクを運転していた女性は転倒した際に全身を強打。骨折を含む重傷を負った。

警察ではタクシー運転手側に安全確認の怠りがあったとして、業務上過失傷害容疑で逮捕し、後に検察も同罪で起訴。運転手に対しては罰金30万円の支払いが大津地裁によって命じられていた。

しかし、タクシー運転手は被害車両が歩道を走っていたことから「歩道をバイクが走っているとは想定外で、違反行為を行っている車両よりもこちらが悪いというのは納得できない」と主張。自分の側に過失は無かったとして控訴していた。

18日の控訴審判決公判で大阪高裁の白井万久裁判長は、バイクが歩道を走っていたことを認定した上で「当時このバイクは歩道上を猛スピードで走っていた可能性が高い。歩道はバイクの走行が禁止されており、運転手の側からみれば、そこにバイクが走ってくることは想定外となる」と運転手側の主張を全面的に認めた。

さらに「バイクが走ってくるということが想定外であり、甚だしく交通法規に違反している者へ対しての注意義務まで求めるのは酷だ」として、一審の大津地裁判決を破棄。タクシー運転手に対して逆転無罪とする判決を言い渡した。

《石田真一》

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