ケガを見落とし、それが死亡原因に? 

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島根県警は24日、今月17日に交通事故に巻き込まれ、病院で「異常なし」の診断を受けていた67歳の被害者が帰宅18時間後に自宅で倒れ、肺挫傷が原因で死亡していたことを明らかにした。

肺挫傷は警察が行った司法解剖で判明しており、警察では病院が事故後に行った検査に問題が生じていた可能性もあるとして調べを進めていく。

島根県警・大田署の調べによると、問題の事故は今月17日、大田市内の県道で発生している。同日の午前5時ごろ、67歳の男性が運転する乗用車が路肩に停車していたところ、この存在を見落とした51歳の女が運転する軽自動車が減速しないまま追突。男性は全身を強く打つ重傷を負い、近くの病院に搬送された。

病院では20歳代の当直医(外科医)が診断を行い、ガラスの破片で切り傷を負った左ひじを縫合した。

男性は医師に「ハンドルで打ちつけた胸が痛い」としきりに訴えていたため、胸、腹、首についてはレントゲンとCTスキャンによる撮影を行い、異常なしと判断した。医師は経過観察のための入院を男性に勧めたが、「異常が無いなら帰る」と希望したことから、帰宅を許可したという。

しかし、男性は事故から約18時間後の午後11時ごろ、自宅のトイレで吐血して倒れた。家族が発見した午前3時ごろにはすでに心肺停止状態となっており、18日の午前7時に死亡が確認された。

自宅での変死扱いとなったため、警察が司法解剖を行ったところ、打撲が原因と思われる肺挫傷を発見。男性は肺からの出血で気道を塞がれ、窒息死したと断定された。

肺挫傷の傷は交通事故による可能性が高く、初期診断でこれが見落とされた可能性が現時点では高いと見られている。このため警察では男性が搬送された病院や、実際の診察を行った医師から事情を聞き、医療ミスが生じていなかったかを調べていく方針だという。

《石田真一》

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