【トヨタ『アベンシス』発表】運転するのは人間、測定器にあらず

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【トヨタ『アベンシス』発表】運転するのは人間、測定器にあらず
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トヨタ『アベンシス』のサスペンションは、ヨーロッパの各国にある様々な条件の道を走りこみ、数値だけではなく感覚も重視した上で作り上げたと福里健・第2トヨタセンター・チーフエンジニアは説明する。実際に走り込みをした上で車体各部の調整を進めていったが、その過程で予想していない事態にも遭遇したという。

「測定器が弾き出した数値上の結果は優秀だったにも関わらず、実際のテストを担当したドライバーがNGを出すんですよ。これじゃあダメだ。あのバイブレーションが気になるとか、この音が嫌だとか」

「だけどそれは数値に表現されないのです。人間の感覚の微妙なところを突いた原因不明の何かが問題なんだと結論づけることも珍しくなかった」と福里チーフ。

「数値はたぶん測定した機械の方が正しいと思います。ですがクルマというのは測定機が運転するわけではなく、人間が運転するものですからね。数値と実際の感覚のズレがどこにあるのかをしつこくチェックし、納得のできるポイントを探しました」

アベンシスの場合、走行テスト中盤から「サスが堅すぎる」という指摘がテストドライバーから持ち上がった。ヨーロッパの山間部に多い、荒れてゴツゴツとした舗装路面へ入るとクルマが暴れだす、突然乗り心地が悪くなるという指摘だった。

サスペンションがうまく作用していないことは明らかだったため、これを克服するため、福里チーフはにあることを実施する。

「WRCが開かれるスペインのコースにクルマを持ちこみました。ここでテストをやらなきゃどこでやるといった感じで。アベンシスの絶妙なサスペンションバランスはこのテストで獲得しています」

「バランスというか折り合いですね。完全に近いものを目指すけど、欠点が無くなるわけではないから、それを目立たなくするという意味の…です。話せば簡単ですがサスペンションのサプライヤーには相当な無理を言いました」

サスペンションチューニングも日本国内用の調整は特に実施しておらず、平均的な日本車と比べた場合には堅く感じるかもしれないと福里チーフは説明する。だが、日本向けチューニングを施し、本来の良さが失われた他の欧州車よりもずっと素直に動くことが特長であり、アベンシスの自慢だとも語っている。

《石田真一》

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