消防士の飲酒運転を救急隊員が隠蔽?

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宮城県警は8日、仙台市消防局に所属する28歳の男性消防士が飲酒運転による自損事故を起こしたものの、警察への通報を行わず、そのまま逃走していたとして、道路交通法違反(酒気帯び運転、事故不申告)などの容疑で7日までに書類送検したことを明らかにした。

消防士は駆けつけた救急隊員に対して自分が仙台市消防局に勤務する消防士であること、飲酒運転で事故を起こしたことを告げたが、対処した救急隊員はこの事実を警察に報告していなかった。警察では消防局の対応についても調べを進める方針だ。

宮城県警・交通捜査課、同・泉署の調べによると、事故が起きたのは今年9月12日の午後9時30分ごろだという。仙台市泉区旭丘堤付近の市道で乗用車が電柱に衝突。クルマはその後も400mあまりを走行したが、車体の損傷がひどく、以後の走行ができなくなった。

クルマを運転していたのは仙台市消防局・宮城消防署に所属する28歳の男性消防士だったが、事故を目撃した通行人が119番通報を行い、これに応じて同局・泉消防署の救急隊員が駆けつけた。

この際、消防士は自分が宮城消防署に所属していることや、飲酒運転の事実を告げたが、救急隊員は病院への搬送が優先されると判断。こうした事故の場合に必要とされる警察への連絡を行わなかった。消防士は病院での治療後には事故直前までいた友人宅に戻り、さらに飲酒を続けていた。

警察が事故発生の事実を知ったのは後日で、事故の経緯を調べているうちに今回の事態が明らかになった。

警察では「事故後の飲酒は、事故当時の飲酒量特定を困難にする証拠隠滅の疑いがある」として、消防士から任意で事情聴取を行うとともに、「組織ぐるみで不祥事の隠蔽を行おうとした可能性もあり、その疑惑を払拭できない」として、消防局の関係者からも事情を聞く方針だ。

問題の消防士は道交法違反での書類送検が決まった7日付けで停職6カ月の懲戒処分が実施されている。

《石田真一》

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