身代わりを受け入れてはいけない……上司の命令でも

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名古屋鉄道バスの乗務員による無免許運転と、会社上層部がその事実を隠蔽しようとした一連の「名鉄バス無免許運転隠蔽事件」で、運行管理者から無免許運転手との身代わりを指示され、それに応じていたことで犯人隠避の罪に問われた37歳の運転手に対する判決公判が日、名古屋地裁岡崎支部で開かれた。裁判所は被告に対し、懲役10カ月(執行猶予2年)の有罪判決を言い渡している。

この事件は今年2月19日に起きた。名古屋鉄道バス・岡崎統括自動車営業所に所属する37歳の運転手が追突事故の被害者となったが、警察が事情聴取に訪れる直前にこの運転手の免許が1年4カ月前に失効していたことが発覚した。

同営業所の運行管理者だった50歳の運行主任は事態の発覚を恐れ、別の37歳運転手に警察との応対を指示。警察が行った聴取や事故検分などは身代わりとなった運転手が立ち会った。また、57歳の営業主任もシフト表などを改ざんした上で本来の運転手と勤務を入れ替えるなどしていた疑いが持たれている。

8日に開かれた判決公判で、名古屋地裁岡崎支部の堀毅彦裁判長は「上司の命令であっても、身代わりになるという違法な行為に荷担した責任は重く、無思慮で法を軽視している」とした。

その一方で「熟慮する時間を与えられず、短時間での判断を迫られた。上司の命令ということもあり、正常な判断が出来る状態ではなかったことを考慮すれば、酌むべき事情は存在する」として、懲役1年の求刑に対し、懲役10カ月(執行猶予2年)の有罪判決を言い渡した。

《石田真一》

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