衝突事故の29人乗りバス、一時暴走

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18日午前、岐阜県白鳥町内の中部縦貫自動車道・油坂第3トンネル(対面通行区間)で、トンネル壁面に接触した乗用車が対向車線にはみ出し、大型観光バスと正面衝突する事故を起こした。

バスは衝突の影響でブレーキやステアリング系統が破損。コントロールできないまま約1km暴走したが、運転手がバスを壁面に押し付けるように接触させ、強引に停止させた。

岐阜県警・高速隊の調べによると、事故が起きたのは18日の午前7時45分ごろだという。白鳥町向小駄良付近の中部縦貫自動車道・油坂第3トンネル内(片側1車線の対面通行区間)で、38歳の男性が運転する乗用車が壁面に接触。そのまま壁面を飛び上がるようにして対向車線側に飛び出した。

このとき対向車線側には乗員乗客29人が乗った大型観光バスが走っており、乗用車はこのバスのフロントガラス付近に斜め横から突っ込んだ。

当時70km/h前後の速度で走っていたバスは衝突の際にブレーキやステアリングなどの系統が破損、コントロールできなくなった。バスの運転手(59歳)は乗客に対し、「ブレーキもハンドルも効かない」と叫び、非常事態が起きていることを告げた。

これに反応した乗客数人がサイドブレーキを引くなどしたものの、それでもバスは減速しない。トンネルを出てからは右カーブが続き、左側の側壁を破壊して道路外に転落する可能性もあった。運転手は不自由な状況の中でも巧みな操作で、数度に渡ってバスを壁面に接触させて減速。最後は側壁の継ぎ目に車体を故意に衝突させて強引に停止させた。

衝突の衝撃で運転手とサイドブレーキを引き続けた61歳の男性客、55歳の女性バスガイドが骨を折る重傷を負った。トンネル内で大破した乗用車からは2人の男性が遺体で収容されている。

警察では乗用車側が居眠り運転していた可能性が高いとして捜査を続けているが、その一方でバスのブレーキ系統がどのような原因で不具合を起こしたかについても調べを進めていく方針だ。

《石田真一》

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