タクシー強盗の少年は「善悪判断できた」として控訴棄却

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2000年12月、兵庫県御津町内でタクシーの運転手を殺害し、売上金1万8500円を奪ったとして強盗殺人の罪に問われた19歳(犯行当時16歳)の少年に対する控訴審判決公判が29日、大阪高裁で開かれた。裁判所は一審の神戸地裁姫路支部判決の懲役12年を支持、少年側の請求を棄却している。

この事件は2000年12月27日の深夜に発生している。家族と口論したことを発端にして家出をしていた当時16歳の被告少年が、行動を共にしていた17歳少女(中等少年院に送致済み)と共謀し、兵庫県姫路市内から乗り込んだタクシーの運転手を殺害。売上金1万8500円を奪ったというもの。

被告は当初から「カネが無くなったらタクシーを襲う。運転手が抵抗したら殺す」と決意しており、それを少女にも話していた。こうした事情から警察、検察では「計画的な犯行」として強盗殺人容疑で逮捕・起訴していた。

一審で弁護側は「少年は幼少時に父親から受けた虐待を原因としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症。犯行当時は妄想によって行動の自制が効かない心神喪失か心神耗弱の状態にあった」と主張。

医療少年院での保護処分を求めていたが、一審の神戸地裁姫路支部では「責任能力あり」と判断。懲役12年の実刑判決を言い渡したものの、弁護側はこれを不服として控訴。二審の際にも「心神耗弱状態にあった」と主張していた。

29日に大阪高裁で開かれた控訴審判決公判で、今井俊介裁判長は「犯行直前には少女に対して殺害を躊躇するような発言をしており、これは善悪の判断を行えたと判断できる」と指摘。

その上で「それでも警察への通報を遅らせるという目的で運転手を殺害するという行為はあまりにも短絡的であり、情状を酌量する余地は無い」と判断。被告側からの控訴請求を棄却し、一審の懲役12年判決を支持した。

《石田真一》

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