トレーラー泥酔運転で3人死傷---懲役12年の実刑判決

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泥酔状態で大型トレーラーを運転し、茨城県水戸市内の国道51号線で故障のために立ち往生していた乗用車に激突。レッカー車の作業員を含めて3人を死傷させ、危険運転致死傷罪に問われた44歳の男に対する判決公判が1日、水戸地裁で行われた。

裁判所はこの男に対し、懲役12年の実刑判決を言い渡している。

この事故は今年6月21日の夜に発生した。同日の午後9時25分ごろだという。水戸市島田町付近の国道51号線で、故障によって現場付近で立ち往生していた乗用車と、修理のために乗用車の前方で停止していたレッカー車に、後方から蛇行して走ってきた大型トレーラーが激突した。

大型トレーラーは前方の乗用車とレッカー車を押し出しながらしばらく進み、レッカー車は運転席に35歳の男性を乗せたまま約6m下の道路に転落。レッカー作業の様子を見ていた乗用車のドライバーとその妻も事故に巻き込まれた。

この事故でレッカー車に乗っていた作業員の男性が重傷を負い、車外にいて事故に巻き込まれた乗用車の2人は共に死亡した。

後の調べでこの運転手は事故当日の朝から切れ目無く酒を飲み続けていたことが判明した。その量は凄まじいもので、午前9時から午後0時の間に500mlの缶酎ハイを3本、同僚と共に取った昼食時にビール中ジョッキ1杯と酎ハイをグラスで5杯、午後3時から8時までにさらにグラス5杯の酎ハイを飲んでいた。

運転を開始した直後から直進を維持できないことを自覚していたが、男は「酔ったせいで視線が定まらないだけ」と判断して運転を強行。結果として事故を起こした。

事故の直前まで警察には「蛇行運転を繰り返す大型トレーラーがいる」との通報が相次いでおり、数十分に渡って蛇行運転していたことは確実とみられている。

1日に行われた判決公判で水戸地裁の林正彦裁判長は「飲酒運転の危険性や他者の生命、安全に対する配慮を著しく欠いている」と指摘。

「職業運転手にもかかわらず以前から勤務中に飲酒運転しており、事故当日も酒酔い状態を認識していたにも関わらず運転を強行するなど単なる偶発事故とは言い難く、無謀性、危険性は際立っており、死傷事犯に準じた犯罪だ」

「被害者の無念は筆舌に尽くし難く、事故で父母を亡くした遺児のことを考えれば情状を酌量する余地は全く無い」として、検察側からの求刑通り、懲役12年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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