放置したから死に至った---夫婦を再逮捕

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失効による無免許運転の発覚を恐れ、クルマではねた79歳の男性を病院へ搬送せず、静岡県内の山中に放置して死亡させたとして、神奈川県警は3日、33歳の男と、この男の妻である25歳の女を殺人容疑で再逮捕した。

これまでの調べで被害者男性の遺棄については、女が提案したことがわかっている。

神奈川県警・平塚署によると、事件の発端となった交通事故は11月9日に発生。同日の午後5時45分ごろ、平塚市桃浜町付近の市道で33歳の男が運転する乗用車が道路を横断しようとしていた79歳の男性をはねた。

男は自分の所持している運転免許証が失効していたことに気づいており、無免許運転が発覚することを恐れ、事故の目撃者に対して「病院に運ぶ」と言い残し、被害者をクルマに乗せて現場から走り去った。

しかし、男はそのまま自宅に直行。妻に対して人身事故を起こしたことを告白した。この段階で被害者はまだ生存していたが、妻が被害者の体を揺さぶっても反応が無いことから「死んでしまった」と判断。その日の深夜に遺体を静岡県裾野市まで運び、山中にある登山口の脇に放置した。

警察では目撃者からの通報を受け、周辺の病院へ被害者が運ばれていないか照会したが、これが確認できなかった。このため、事故を起こしたクルマの所有者から任意で事情を聞いていた。

所有者の男が、事故を起こし、さらには遺体を遺棄したことを認めたため、男を道路交通法違反と業務上過失傷害の容疑で11月10日に、女を死体遺棄容疑で同12日に逮捕していた。男はその後、同20日に死体遺棄容疑でも再逮捕されている。

警察では殺人容疑の適用を慎重に検討してきたが、事故直後から数時間は被害者が生存していた可能性が高く、その間に適切な治療を施せば一命を取り留めた可能性が高いこと、また、当初から事故を隠蔽する方向で動いていたことなどを考慮し、殺人容疑の適用相当と判断。3日付けで両者を再逮捕した。

《石田真一》

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