乗務後に「酒気帯び」検知---バス会社の点呼に不備

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京福バスは8日、同社に勤務する45歳の男性運転手が今年11月、乗客14人が乗ったバスを酒気帯び運転していたことを明らかにした。同社は事態を国土交通省・中部運輸局と福井県警に通報しており、運転手に対しての社内処分も検討しているという。

これは京福バスが8日明らかにしたもの。問題の運転手は今年11月27日の朝、丸岡町内にある営業所で点呼を受けた後、午前7時33分に出発して福井駅前まで向かう路線バスに乗務した。このバスには乗客14人が乗車し、約1時間掛けて終点まで到着している。

乗務後、この運転手は福井市内にある車両整備工場に向かったが、その際に整備士が運転手の息が酒臭いことに気づいた。整備士は「これで測れ」とアルコール検知器を差し出し、運転手もこれにしたがって計測したところ、0.2ミリグラムのアルコールを検出。酒気帯び状態であることがわかった。

運転手は社内規定で定められた「乗務8時間前以降の飲酒禁止」を破り、27日午前2時近く(乗務5時間前)まで飲酒していたことを認め、営業所にもこれを報告した。

しかし、営業所から本社への報告が遅れ、本社が事態を把握したのは今月に入ってから。中部運輸局と警察に対して事態の報告を行ったのは12月5日だった。規模が小さな会社であるにも関わらず、飲酒運転の発覚から報告までには1週間を要している。

同社の社長は「公共交通機関としてあるまじき行為」と謝罪し、運転手に対する社内処分の実施だけではなく、役員報酬の半年間カットや運行管理者への処分も検討しているという。

整備工場に置かれていたアルコール検知器は簡易なものだったとされているが、それでも酒気帯び状態にあることは確認できた。

点呼の際にさらに精度が高い検知器で測定していたのなら、今回の飲酒トラブルは未然に防げていた可能性が高く、こうした問題でも会社側は追及を受けそうだ。

《石田真一》

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