立ち往生が相次ぐバス会社……運輸局が重点監査

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国土交通省・中部運輸局は17日、オルタネーター(発電機)が故障してエンジンの始動が一時できなくなった路線バス車両をバッテリー交換の上で運行させていたとして、岐阜乗合自動車(岐阜バス)に対して重点監査を行った。

同社が運行するバスは今年9月以降、故障で立ち往生するなどのトラブルが相次いでおり、運輸局では同社の車両整備体制などについて調べを進めていくとしている。

中部運輸局によると、一連のトラブルは同社関係者によるものと思われる内部告発で明らかになり、これが発端となって今回の監査が行われている。

告発によると今年9月13日の午後、岐阜市内と山県(やまがた)市内を結ぶ岐阜乗合自動車・岐北線の路線バスが終点のJR岐阜駅前まで到着し、乗客を降ろし終えたところでエンジンが突然ストップ。再始動できなくなった。

運転手が点検したところ、バッテリー電圧が異常低下していたことからオルタネーターが故障していると判断、営業所に対して代替車両の手配を要求した。

しかし営業所は「そのバスのオルタネーターが弱いことはわかっている。バッテリーを交換して運行を続けろ」と指示した。運転手はバッテリーの交換を行い、バスは約30分遅れで折り返しの運用に入った。

告発状では、このバスのオルタネーターが故障していることは整備担当者が熟知しており、オルタネーターへの負担を軽減するためにヘッドライトは日没後まで点灯させないなどの指示がなされていたとも書かれていた。

中部運輸局は今年11月、岐阜乗合自動車に対して「そうした事実はあるのか」と質問したところ、同社はこれを大筋で認めたという。

また、同社が運行する路線高速バスについても今月6日、7日の両日にそれぞれ別の車両が名神高速道路を走行中にオーバーヒートを起こし、運転席の警報ブザーが鳴動した状態で運行を続けていたことも判明している。

全てのケースにおいて整備不良が原因と考えられることから、運輸局では営業所の整備部門などに対する監査を実施。同社が保有するバスがどのような整備を受けているのかなどについて調査を行う方針。

《石田真一》

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