【D視点】『プリウス』は21世紀のジャポニズム

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【D視点】『プリウス』は21世紀のジャポニズム
【D視点】『プリウス』は21世紀のジャポニズム 全 11 枚 拡大写真
★尊敬されるカタチが高級?

「第三京浜で右横をメルセデスの12気筒が猛スピードで抜き去って行っても、フーン、それがどうした。と平然としていられますねえ、プリウスは。ジャグアーがどうした、フェラーリがなんだというヒエラルキー超越のクルマなんですねえ」というプリウスのファンクラブのメールに感心させられた。このユーザーは高級などという大げさな言葉は好きでないかもしれないが、まさに新しい高級を体感している。

アメリカでは成功した事業家は美術館を創設して、稼いだ金の一部を社会に還元する慣わしがあるというが、これも高級のひとつであろう。他人に優しく、困った人を援助し、環境保護に協力するのも高級と言っても良いのではなかろうか。むしろこのような活動、あるいはモノこそ、新しい時代の高級に相応しい。

しかし、残念ながらコトはそんなには上手くは運ばないようだ。プリウスは世界初の量産ハイブリッドカーとして話題は集めたが、これまでの高級車のように皆が憧れて欲しがるようにはなっていないようだ。一方、ラグジュアリーメーカーからは高価で大馬力の新型車が目白押しに発表され、メルセデスベンツから超高級車『マイバッハ』が復活し、フォルクスワーゲンから『フェートン』が登場しようとしている。

既存の価値に固執する体制派の金持ちの心を捉えるには、確かに誰にでもわかる高級が必要だ。例えばシャネルの服を着て、エルメスやピアージュの小物をつけ、ロールスロイスに乗って、トロワグロでコースの食事をとる。かつては上流社会で愛用されたような伝統や歴史のある、しかも高価なことで広く知られているモノということになる。

それでも、地球に人が住めるうちにエコロジカルなライフスタイルが尊敬されるようになり、エコロジーをイメージしたデザインが「尊敬されるカタチ」と認められて、既存の高級よりも魅力的になって欲しいと思う人は決して少なくないはずだ。

1/3★ウサギとカメどちらが勝つか
2/3★尊敬されるカタチが高級?
3/3★期待の星、品位ある企業に変身
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《松井孝晏》

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