追跡阻止のため事故を起こした少年に厳罰求刑

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今年7月、万引きを発見し、クルマにしがみついて追跡しようとした衣料品店の店主を振り落とす目的で故意に電柱へクルマを衝突させ、死亡させたとして強盗致死などの罪に問われた17歳の少年に対する論告求刑公判が25日、松山地裁で開かれた。

検察側は裁判所に対して懲役15年を求刑している。

この事件は今年7月28日に発生している。同日の午後5時ごろ、愛媛県今治市内の衣料品店の店頭から17歳の少年が祭で使うための地下足袋4足(時価4900円相当)を盗もうとしているのを、この店の55歳男性店主が発見した。

店主は顔見知りだったこの少年の名前を呼びながら追いかけ、窓が開いていた運転席側のドアにしがみつき、クルマを止めて外に出てくるように訴えた。

しかし、少年はこれを無視するかのようにクルマを急発進させ、男性を約80m引きずった末にクルマを電柱に激突させた。ドアにしがみついていた男性はクルマと電柱の間に挟まれる形となり、全身を強く打って収容先の病院で死亡した。

少年はそのまま現場から逃走したが、事故翌日の未明に警察へ出頭。傷害致死容疑で逮捕したが、罪状が悪質であったことから送検前に強盗致死へ切り替えている。

25日に行われた論告求刑公判で、検察側は「祭で使う地下足袋を入手するという目的があり、万引きは計画的だった。そして少年は男性が重傷を負うかもしれないと認識を持ちながらクルマを電柱に接触させており、これは殺人行為にも匹敵する残忍な犯行」と指摘した。

そして「被害者遺族の感情や、この事件が世間に与えた影響、被告少年の心理状態のいずれを考慮した上でも情状を酌量し、求刑を斟酌する必要は本来ない。ただし、16歳という年齢を考えれば多少の更正の余地はある」として、裁判所に対して懲役15年を求刑した。

《石田真一》

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