インターネットでカーバイヤーの動向を調査しているエドモンズ・ドットコムによると、昨年1年間で自動車メーカーによるインセンティブのパーセンテージは減っているものの、カーバイヤーの要望は相変わらず根強い、という。
昨年7月の時点でカーバイヤーが新車に支払った金額の平均は2万4179ドルで、メーカー希望価格を17%下回っていた。それが12月の時点ではメーカー希望価格の平均は3万0481ドルに対し、実際に支払われたのは2万6077ドルで、14%低い数字となっている。
自動車価格そのものは11月から12月にかけて4.6%値上がりしており、今後も値上げの傾向は続くという。というのも、自動車メーカー各社はすでにインセンティブを価格に組み込み済みなのだ。
そして消費者が望む限りインセンティブを廃止する予定がない。それが最初の価格設定にも影響する、という循環が出来上がりつつある。消費者にとっては結局あまり得にはならない。
しかし、自動車メーカーにとっては新型モデル以外はインセンティブを続ける、という状況は当分続くし、その額も拡大の傾向にある。例えばインセンティブの平均は02年には2560ドルだったが、03年には3712ドルになっている。04年にはやや減少するものの、やはり1台あたり3000ドル程度のインセンティブは続けられるもの、と考えられている。
ここでビッグ3にとって問題なのは、日本のメーカーのインセンティブがビッグ3に比べて低く抑えられている、という点だ。日本メーカーの実売価格はメーカー希望価格より8.4%少ないだけ、さらにヨーロピアンメーカーでは5%以下、という数字も出ている。
また、韓国のメーカーはインセンティブ幅をビッグ3並みにすることでシェア拡大を狙う。ビッグ3にとってシェア回復はなかなか困難のようである