きわめて日本的な、中小企業の社長が走らせて満足できるような、そんな優しい走り味がクラウンの特徴だった。船のような乗り心地でいいのだとしてきた。
だが新型は、すこしばかり、ヨーロッパ流高級車の気配が漂う。やや足回りを絞めたことで、ハンドリングが鋭くなった。コーナーでグラッとすることも、少なくなった。後席でゆったり揺られるだけでなく、自らステアリングを握って走りたくなるような、そんな味付けになったのだ。
これなら、新規のユーザーをとらえることだろう。走りの締まったクラウンなのである。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
木下隆之|モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。「ジェイズな奴ら」を上梓するなど、作家の肩書きも。