後輪で踏んだ…殺人罪適用

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さいたま地検川越支部は7日、埼玉県鶴ヶ島市内の圏央道・圏央鶴ケ島インターチェンジ(IC)の出口車線で人身事故を起こし、54歳の女性を死亡させたトラック運転手の男を殺人と道路交通法違反の罪で同日までに起訴していたことを明らかにした。

男は当初、業務上過失致死で送検されていたが、その後の調べによって「未必の殺意があった」と判断された。

問題の事故は昨年12月22日の午後1時20分ごろに発生している。鶴ヶ島市三ツ木付近の圏央道・圏央鶴ヶ島ICの出口車線でガードレールへ接触する自損事故を起こした54歳の女性が車外に出てクルマの破損状況を確かめていたところ、車線中央部付近で後続の大型トラックにはねられた。

トラックの運転手は料金所まで走行し、料金収受員に「出口車線で人をはねた」と報告した。女性は腹部の損傷が著しく、すぐに病院へ搬送されたが、骨盤骨折などを原因としてい死亡している。

当初、警察ではこの男を業務上過失致死容疑で逮捕した。男は「速度はあまり出していない」としながらも、女性の体には前輪と後輪で二度に渡って踏まれた痕跡があること、また、事故を起こした現場から通報したのではなく、約300m離れた料金所で通報を行っていることなどから、警察では「男が現場から逃走しようとしていたのではないか」と考え、目撃証言などを集めてきた。

その結果、男は「女性をはねた直後に停車したが、今なら逃げられると思って発進した」と供述。この証言を得て、警察ではひき逃げが成立すると判断。今年1月に業務上過失致死と道交法違反(ひき逃げ)で送検した。

その後も男は供述を二転三転させ、最終的には「逃げようとした際、倒れている女性の体に後輪で乗り上げた。たぶん死ぬだろうと思った」と供述、故意にひいたことを明らかにした。

この証言により、ある程度の高速ではねられたとみられる上半身の損傷と、ゆっくりとした速度ではねられた際に生じた下半身の損傷に整合性が生まれ、警察は3月に殺人容疑で追送検した。

検察では慎重に判断を続けてきたが、二度目に後輪でひいたことは「未必の殺意に当たる」と判断。業務上過失致死ではなく、殺人罪を適用して起訴に踏み切った。

《石田真一》

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