「ひき逃げしていない」を論破できない…釈放

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長野地検諏訪支部は7日、今年3月に諏訪市内でひき逃げ事故を起こしたとして、業務上過失致死と道路交通法違反(ひき逃げ)で逮捕・起訴されていた24歳の女性を処分保留で釈放し、在宅捜査に切り替えたことを明らかにした。

問題の事故は今年3月14日の未明に発生している。同日の午前2時30分ごろ、諏訪市湖岸通りの市道で、路上に寝ていた68歳の男性がクルマにはねられ、収容先の病院で死亡したというもの。

警察では捜査本部を設置し、ひき逃げ事件として捜査を開始したが、翌15日に報道で事件発生を知った24歳の女性が「私がひいたかもしれない」と長野県警・諏訪署に出頭。女性のクルマに事故の痕跡が確認できたため、同日に業務上過失致死と道交法違反容疑で逮捕した。

しかし、この女性は取り調べ当初から「人をひいたという認識はない」、「何かを踏んだのはわかったが、人だとは思わなかった」と供述。ひき逃げには当たらないと主張した。

警察は同容疑でこの女性を送検した。しかし、被害を受けた男性が路上に寝ていたことはわかっているものの、どのタイミングで車道に寝転がったのかがはっきりしないこと、また、女性の前方不注意(路上で寝ている男性の存在に気がつかなかったこと)が原因で事故が発生したとされているが、女性が主張する「はねた認識はない」を覆す証拠が見つからないことことから、ひき逃げ事件として構成するのは難しいと判断。

女性に逃亡の恐れが無いことや、ひき逃げ以外の事実は認めていることから処分保留のまま釈放し、以後は在宅で捜査を続けていくことを決めた。

こうしたケースは珍しいが、今回の事故では被害者にも一定の責任があることから、このような判断が行われたと推測される。

《石田真一》

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