奈良県警は13日、勤務していたバス会社からマイクロバス1台(時価300万円相当)を盗み出したとして、53歳の男を窃盗容疑で逮捕した。男は勤務終了後にそのままバスを乗り逃げしており、警察では車両をどこに隠したのかなどについて追及している。
奈良県警・田原本署によると、この男は東京都内に本社があるバス会社の奈良営業所に勤務。川西町内にある印刷工場の社員送迎用バスの運転を担当していた。
この営業所はバス会社のリストラ策により、昨年12月末で閉鎖されることになっていた。男は自分が担当する最後の勤務日となっていた昨年12月16日夜、スケジュールどおりに勤務に就き、印刷会社の従業員を近くの駅まで送り届けた後、仕事に使っていたマイクロバスをそのまま乗り逃げして姿を消した。
バスが営業所に戻らず、男とも連絡が取れなくなっていたため、バス会社では「バスは盗まれた」と判断。警察に被害届けを出していた。
逮捕された男は警察の取り調べに対し、「給料の未払い分があり、その代わりとして貰った」などと供述している。
乗り逃げしたバスの行方についても追及しているが、これについては供述を拒んでおり、警察ではバスをすでに売却している可能性が高いとみて、金の流れなどについて洗い出しを進めている。