岐阜県警は6日、今年3月に岐阜市内で発生したタクシー運転手殺害事件の容疑者として、別の強盗致傷事件を起こしたとして既に逮捕・起訴されている52歳の男を同日までに再逮捕した。
被害者が乗務していたタクシーから見つかったタバコの吸殻に付着していた唾液のDNAが、この容疑者のものと一致したことが決め手となっている。
岐阜県警・岐阜北署によると、問題の事件は3月16日に発生している。同日の午後7時55分ごろ、岐阜市福富町田付近の市道に停車していたタクシーの車内で54歳の男性運転手が刃物で刺され、血を流して倒れているのを通行人の女性が発見した。運転手はすぐに病院へ収容されたが、出血多量などが原因で間もなく死亡した。
車内からは売上金の入ったバッグが無くなっていたため、警察では現金強奪の際に運転手を刺殺した強盗殺人の疑いがあるとして捜査を開始したが、タクシー運転手殺害と同じく3月16日に岐阜市内で発生したコンビニ強盗未遂事件の容疑者が「コンビニでカネが奪えなかったから、タクシー運転手を刺した」と供述。事件に関与した可能性が高くなった。
その後、男は別の強盗致傷事件も起こしていたとして再逮捕されているが、タクシーの後部座席から回収されたタバコの吸殻に付着していた唾液から採取したDNAと、男から任意提出を受けた唾液のDNAが一致。「男が事件の起きたタクシーに乗っていたことは明らかになった」として、6日までにタクシー運転手に対する強盗殺人事件容疑で再逮捕した。
男は事情聴取には素直に応じており、「勤務していた会社を今年2月に解雇され、生活費に困窮して犯行に及んだ。コンビニ強盗に失敗したのでタクシー運転手を襲った」などと供述しているという。