「ヨーロッパの空港で、いちばん安いレンタカーを借りたらさ、これがすごくよく走ってさァ……」というようなクルマが、フィエスタである。
日本仕様は1.6リッターだから、ヴィッツ/マーチより力がある。足回りやステアリングやブレーキの感触も、フニャッとしたところがない。とくにストローク感のあるサスペンションは、欧州コンパクトハッチのなかでも優れている。
全体の性格は“開けたドイツ車”という感じ。すごくナチュラルな、ヘルシーな肌合いのクルマである。あと20万円安いといいけど、日本のガイシャ市場は、安きゃ売れるってもんでもないし。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
下野康史| モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集部を経て、モータージャーナリストに転身。現在はクルマ雑誌を始め、週刊誌のコラムなど幅広く執筆活動を行っている。親しみやすい文体のなかに見える、鋭い着眼点や独特の語り口にファンは多い。