6月8日に一部改良を行なったインプレッサ。全車的に行なわれた変更点は、センターコンソールパネルの変更など、わずかなもの。しかし、インプレッサのイメージリーダーでもある『STiバージョン』に関しては、走行性能に関わる部分で大幅に改良が加えられている。
もっとも大きな部分ではタイヤサイズの変更。従来までの 225/45R17から235/45R17 にサイズアップされている。通常タイヤサイズを上げる場合、ワンサイズ程度ならタイヤやホイールのを変更するだけだが、STiバージョンではホイールのリム幅を 8J に拡大し、同時にハブベアリングのサイズも拡大して強化している。これにともないPCDのサイズも 100mmから114.3mm に変更し、ホイールの取り付け剛性をも向上している。
この変更の効果はてきめんに現れ、クルマを走らせた瞬間に乗り心地がよくなったことに気付く。この点についてスバル技術本部 村田誠氏は「扁平率を変えずにタイヤサイズを太くしたことで、タイヤのハイトに余裕が出て、乗り心地の面も向上していると思います。また、タイヤやホイールのサイズが大きくなり重くはなっていますが、リアサスペンションのリンクをアルミ化するなど、バネ下重量は極力軽減しています」とコメント。
実際、路面の荒れた場所を走ってみてもタイヤがバタつく印象はない。さらにステアリングギアボックス内にダンパーバルブが採用されたこともあり、路面からのキックバックはかなり抑えられるようになっている。
それでも通常のスポーツセダンと比較すれば硬いが、これぐらいの乗り心地であれば、乗り心地の代償に、優れたスタビリティ得ている印象はない。街なかを流していたとしてもストレスは感じないはずだ。
STiバージョンの外観上の変更点は、大きくなったタイヤを収めるためにリヤのフェンダーにモールが追加された程度。見た目は今までと変わることはないが、STiバージョンはより速く、なおかつより快適に走ることができるように、走行性能に関わる部分では多くの改良が施されている。(つづく)