5月25日に登場した『eKアクティブ』。一見、『eKワゴン』をSUV風にカスタムしたクルマに見えるが、足回りは専用のチューニングが施されている。車高の上昇に合わせ初期のロールを抑えるためにバンプラバーを延長したり、スタビライザーのeKシリーズの中でもっとも直径を太くするなどして、車高を上げたことによる不安定な挙動を抑えている。
実際に山道のようなワインディングロードを走ってみても、通常の速度域であればロールを抑えステアリングに追従して、スイスイと向きを変えてくれる。しかし、少し高い速度域で走ろうとすると、比較的早めにアンダーステアが発生してしまう。
このハンドリングについて、eKシリーズのプロジェクトマネージャーである、三菱自動車工業、森井巌氏は「eKスポーツでは足回りを引き締めた方向でセッティングしましたが、eKアクティブでは、あえてアンダーステアになる方向に持っていっています。そうする理由は、限界を高めるとそのぶん、限界を超えたときの挙動の修正が難しくなってくるためです。比較的早めにアンダーステアになり、クルマの限界をコントロールのしやすい速度で出すことで、肩に力を入れなくても走れるようにセッティングしました」と説明する。
事実、アンダーステアになっても、その後のコントロールはしやすい。だが、アンダーステアになることが、必ずしもよいというわけではない。コーナーを膨らんで曲がり切れなくなってしまうことだってある。そうならないためにも、『eKアクティブ』は、挙動の安定した領域で穏やかな走りに徹するクルマなのだ。そうすれば意外ほど安定した走りを披露してくれる。