千葉県警は18日、知人から依頼を受け、階級章や制服のワイシャツなどの警察関連用品11点を有償で譲渡していたとして、佐倉署・地域課に所属する巡査長に対し、減給100分の10を6カ月とする懲戒処分を同日までに言い渡した。
巡査長は依願退職の意思を示しており、近くこれが受理される見込みだ。
千葉県警・監察官室によると、制服や階級章などを知人に有償譲渡していたとして、減給処分の対象となったのは、佐倉署・地域課に所属する40歳の巡査長。
この巡査長は新東京空港署(現在の成田空港署)に勤務していた1999年から、空港に出入りする業者に勤務していた28歳の男性に対し、使い古した官給品などを渡していた疑いがもたれている。
男性はいわゆる「警察マニア」で、当初は巡査長が使い古したものを受け取るだけだったが、そのうちに「新品が欲しい」と要求がエスカレート。
巡査長は新品の階級章2個や制服用の白ワイシャツ、ネクタイ、警備靴を有償で譲渡。この男性から代金として合計8万5000円の謝礼を受け取っていた。
譲渡先となった男性が詐欺事件を起こしたことから、この男性宅に対しての家宅捜索が行われ、この際に警察グッズを多数を発見。それらを押収したところ、本物の現行品が紛れており、男性を追及したところ、この巡査長からの譲渡が発覚した。
巡査長は監察官室の取り調べに対して「男性が喜ぶので続けてしまった。こんなに大事になるとは思わなかった」と話していたという。
監察官室は巡査長に対して減給処分を言い渡したが、巡査長は依願退職の意思を示しており、19日か20日には受理される見込みだとしている。