今年6月、和歌山県海南市内で大型トレーラーが横転。積荷の丸太がJR紀勢線の線路に落ち、電車が衝突する事故を起こして18人を負傷させたとして、業務上過失傷害などの罪に問われた男に対する初公判が24日、和歌山地裁で開かれた。
被告は起訴事実を全面的に認めている。
問題の事故は今年6月2日の午前7時ごろ、海南市冷水付近の国道42号線で発生している。大型トレーラーが速度超過のために現場付近の急な左カーブを曲がりきれずに対向車線に逸脱、軽自動車と正面衝突した。
大型トレーラーは衝突の直前、これを回避するために急ハンドルを切ったが、この結果、トレーラーはJR紀勢線を跨ぐ橋の上で横転。積荷の丸太40本のうち33本がガードレールを破壊して落下、線路を塞いだ。
丸太の落下からおよそ15分後、和歌山行きの快速電車がこれらの丸太に乗り上げて脱線するという二次災害が発生。割れた窓ガラスの破片を浴びるなどした乗客18人が負傷している。
トレーラーを運転していた男は業務上過失傷害と道路交通法違反(過積載)容疑で逮捕され、同罪で起訴された。
24日に和歌山地裁で行われた初公判で、被告の男は「間違いありません」と、起訴事実を全面的に認めている。
検察側は冒頭陳述で、被告の男が事故前夜にパチンコを行い、これが原因で当日の朝に寝坊して、遅れを取り戻す目的で60-70km/hの速度で走行を続けたこと、そして大量の積荷を一度に運ぶことで手当てを多く貰おうと、以前から過積載を繰り返してきたこと、などを指摘している。