風邪とわかっていながら勤務命じる…死傷事故で社長逮捕

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今年8月、兵庫県赤穂市内の山陽自動車道で、タイヤの交換作業を行っていたクルマに過労運転の大型トラックが激突し、14人が死傷した事故について兵庫県警は6日、トラック運転手が勤務していた運送会社の社長ら2人を逮捕した。

兵庫県警・高速隊によると、問題の事故は8月7日に発生している。同日の午前6時ごろ、赤穂市木津付近の山陽自動車道上り線・高山トンネル(全長1378m)の内部で、走行車線でパンクしたタイヤの交換作業を行っていたクルマに、後続の大型トラックが減速せずに激突した。

クルマは大破。後部座席に乗っていた幼児3人を含む5人が死亡した。また、クルマは衝撃で燃料タンクも破損。これに引火して激しく炎上し、トンネル内に取り残されて走行不能になったクルマの乗員など9人が煙を吸い込み、喉に炎症を起こすなどの軽傷を負っている。

大型トラックを運転していた31歳の男は過労が原因で事故当時に居眠りしていたことを大筋で認め、業務上過失致死傷と道路交通法違反(過労運転)で逮捕・起訴された。

さらに警察では男が勤務していた福岡市東区内の運送会社にも一定の責任が生じるとして家宅捜索を実施。運行記録などを押収して運転手の勤務状況を調べていた。

その結果、事故を起こした運転手は事故前の1カ月以上前から過重な労働を強いられていたことが判明。

事故の直前には風邪(急性扁桃炎)を起こしたことを運行管理者に報告していたが、運行管理者は「正常な運転ができない」と認識しつつ、それでも勤務を命じていた可能性が高くなった。

このため警察では、この会社を経営する39歳の男と、33歳の運行管理者の2人を道交法違反(過労運転下命)容疑で逮捕した。

《石田真一》

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