死傷事故に発展したカーチェイスに危険運転罪

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互いの進路を巡ってカーチェイスとなり、その後の衝突事故で路上の巻き添えを含めて3人を死傷させたとして危険運転致死傷罪に問われ、一審と二審で懲役6年の実刑判決を受けた54歳トラック運転手の男に対し、最高裁第一小法廷がこの男の上告を棄却していたことがわかった。

決定は17日付けとなり、男の判決が確定する。

この事故は2002年5月29日の午前4時ごろに発生している。千代田区神田神保町付近の都道で、33歳の男(当時)が運転する乗用車と、52歳の男(同)が運転するタンクローリーが高速度でのカーチェイス状態となった。

両者ともスピードを落とそうとしなかったため、最終的にはカーブを逸脱。対向車線側で荷降ろしを行っていたトラックに激突した。

2台に相次いで衝突されたトラックは横転。そのまま路上で客待ちをしていたタクシーに突っ込んだ。この際、60歳のタクシー運転手は路上に立っており、滑走してきたトラックの直撃を受けて死亡している。

一審の東京地裁では「早朝とはいえ、都心部の幹線道路上で80km/h以上の危険な速度で互いに煽り合い、路上に立っていただけの何の落ち度もない被害者を死亡させたという結果は重大であり、強い非難を免れない」と指摘。

乗用車を運転していた男に懲役7年の実刑判決を、タンクローリーを運転していた男に同6年の実刑判決を言い渡した。

これに対し、タンクローリー側の運転手の弁護人は「運転の荒さに危険運転罪を適用するのは納得できない。事故は単なる追い抜きが原因となった」と、業務上過失致死の適用を主張して控訴していたが、二審の東京高歳でも「明白な煽り行為があった」として一審判決を支持。被告側の請求を棄却している。

今回、最高裁が上告を棄却したことによって二審までの実刑判決が確定することになる。死亡事故に発展したカーチェイスに危険運転罪を適用できる判例を最高裁が容認したともいえ、今後の同様案件にも影響を与えることは間違いない。

《石田真一》

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