当て逃げではなく、制御困難だった…科捜研

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今年1月、大阪府藤井寺市内で、他車との衝突事故を起こした乗用車が約2kmを走った後、府道に隣接するレストランに突っ込んで2人が死亡した。

こ事故で、乗用車は逃走中に事故を起こしたのではなく、衝突によってブレーキが破壊されるなど、制御できない状態に陥っていた可能性が高いことが大阪府警の調べによって明らかになった。

大阪府警・羽曳野署によると、問題の事故は今年1月4日に発生している。同日の午前0時45分ごろ、藤井寺市野中2丁目付近の府道に面したレストランに、丁字路を直進してきた25歳男性の運転する乗用車が突っ込んだ。

クルマはガードレールを突き破った衝撃で大破し、直後に炎上。運転していた男性と、助手席に乗っていた18歳の女性が死亡している。

この現場から2kmほど離れた市道交差点で、事故の起きる約3分前によく似たクルマが接触事故を起こして逃走していることから、警察では当初「当て逃げしたクルマが逃走中に自損事故を起こした」と判断していた。

しかし、運転していた男性の遺族はこれに反発。「普段の性格や行動から考えて、当て逃げ事故を起こすようなタイプではない」と主張していた。

事故を起こしたクルマは丁字路を直進していたが、現場に減速したような痕跡が全く残されておらず、当て逃げ事故後の逃走としては不審な点も数多くみられたことから、同署は府警の科学捜査研究所(科捜研)に車両の精密な検分を依頼した。

その結果、事故を起こしたクルマはサイドブレーキが引かれたままの状態でガードレールに衝突していることが判明。

さらに調べを進めたところ、アクセル部分のワイヤーが引っかかって、アクセル全開状態と同じ動作になっていたことや、ブレーキが壊れて効かなかったことが新たに判明した。

科捜研は「事故は極めて稀な制御困難な状況下で発生した」と結論をまとめ、警察ではこれを遺族に報告したという。

「接触事故を起こしたクルマが逃走中に自損事故を起こした」という、これまでの見解は否定されたが、この故障がどの時点で発生したのかはわかっていない。

現時点では「最初の接触事故を起こした際に故障したのでは」という見方が強いが、警察では引き続きこれについても調べを進めたいとしている。

《石田真一》

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