鬼ごっこの末にベンツ強奪…大阪で頻発

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大阪府警は28日、大阪市内でメルセデスベンツなどの高級車へ故意に追突する事故を起こし、運転していた人が車外に出た隙にこれを強奪する事件がこれまでに3回発生したことを明らかにした。

追突したクルマは「高級車を運転していた人をクルマから引き離す」ように、まるで鬼ごっこのような状態で走ることを特徴としており、警察では注意を呼びかけている。

大阪府警・東署によると、事件が起きたのは27日の午後10時50分ごろ。大阪市中央区農人橋付近の府道でメルセデスベンツ(時価600万円相当)を運転していた56歳の男性が信号待ちのために停車していたところ、後方から接近してきた乗用車が追突した。

乗用車はベンツを追い越し、その直前に停車。ベンツを運転していた男性がクルマを降りて歩み寄ろうとすると、前にいたクルマはゆっくりと10mほど前進した。男性がこれを追いかけると、クルマはさらに10m、追いつきそうになるとまた10mというように、まるで鬼ごっこをするかのような挙動で前進を繰り返した。

最終的にベンツを運転していた男性と、路上に駐車していたベンツの距離は約40mに広がったが、この段階で近くの路地から飛び出してきた男がベンツの運転席に乗りこみ、素早くすべてのドアをロック。そのままクルマを強奪した。

追突したクルマもベンツの逃走に合わせるようにして加速して走り去り、路上には運転していた男性のみが取り残された。警察では当初からベンツを強奪する目的で、故意に起こされた衝突事故と断定。窃盗容疑で捜査を開始している。

実は大阪では今年4月と8月に同様の事件が発生している。ターゲットとなるのは高級車で、事故発生から盗難に至るまでのプロセスはまったく同じだった。

今回の事件でも被害に遭った男性は「クルマが徐々に遠ざかるため、逃がしてなるものかと必死で追いかけた」と証言しているが、犯人グループはこうした心理を先読みし、運転者をクルマから引き離す工作をしている。

気がつくとクルマから50mほど引き離されており、この距離があるとクルマを奪われたとしても容易に戻ることはできない。

警察では「追突された場合、車体が損傷している場合もあるので、まずはエンジンを切り、キーを抜くことが重要」としているが、このプロセスが出来ていればたしかに車両盗難は防げるだけに注意したい。

《石田真一》

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