警官の命よりも自分が逮捕されないことが重要

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今年8月、大阪府大阪市北区内で、信号無視を行った不審車両の運転者に対して職務質問しようとした警察官が、このクルマにはねられて死亡した。

この事件で、殺人や覚せい剤取締法違反の罪に問われた44歳の暴力団員の男に対する初公判が12日、大阪地裁で行われた。被告の男は起訴事実を全面的に認めている。

問題の事件は今年8月3日の未明に発生している。同日の午前3時20分ごろ、大阪市北区堂島1丁目付近で信号無視を行ったクルマを天満署・地域課のパトカーが発見。乗っていた50歳の警部補(死亡によって巡査長から2階級特進)が職務質問するために近づいた。

クルマは逃走しようとパトカーに体当たりを繰り返し、警部補はこれを制止するために警棒で乗用車のリアガラスを叩き割るなどしたが、体当たりを続けるクルマに接触して転倒。直後にクルマは急発進したため、警部補はその下敷きとなってしまった。

クルマは警部補の体を底部に挟んだまま、数度の前後動を繰り返したが、乗っていた2人の男は最終的に徒歩で逃走。警部補は病院に収容されたが、事件発生から約3時間半後に死亡している。

車内からは覚せい剤や拳銃の実弾なども発見。落ちていた免許証から44歳の暴力団員の男が関与した疑いが濃厚とみられていたが、男は事件当日の午後になってから警察に出頭。殺人容疑などで緊急逮捕されていた。

12日に行われた初公判で被告の男は「間違いありません、すべて認めます」と起訴事実を全面的に認めている。

続いて行われた冒頭陳述で、検察側は「被告は覚せい剤の使用が職務質問によって発覚することを恐れ、逃走することを決断した。このとき、クルマの進行方向には職務質問を行った警察官が倒れていたが、被告は殺害もやむなしと考え、警察官の体をクルマで引きずったまま走行を続けた」などとして、一連の行為が故意によって行われたことを改めて指摘している。

《石田真一》

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