運転手の過労を無視した…親会社の社長も逮捕

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過労状態で普通トラックを運転していた少年が対向車と衝突し、相手の男性を死亡させたという事故に関連し、京都府警は1日、この少年の勤務していた運送会社の社長を過労運転容認(道路交通法違反)で逮捕した。

京都府警・交通指導課、同・木津署によると、問題の事故は今年6月8日に発生している。同日の午前6時15分ごろ、山城町上狛大谷付近の国道163号線で、19歳の少年が運転する普通トラックが対向車線側に逸脱し、55歳の男性が運転する普通トラックと正面衝突した。

この事故で対向車を運転していた男性が胸を強く打って死亡。逸脱した側のトラックを運転していた少年が両足の骨を折る重傷、助手席に乗っていた19歳の女性が鎖骨を折る重傷を負った。

警察では逸脱側のトラックを運転していた少年の回復を待ち、業務上過失致死傷容疑で事情を聞いていたが、その捜査の過程で少年が事故前の1カ月間、厚生労働省が定める上限値の320時間を大幅に超過して働いていたことが供述によって判明した。

少年は事故の2-3日前から過労を自覚するほど疲弊しており、その旨はこの少年が勤務する運送会社の親会社を経営する37歳の男や、33歳の配車係の男は認知していたが、2人はそれを知りながら事故前日の6月7日に会社のある三重県四日市市から大阪府門真市までプラスチック製品の輸送を指示していた。

少年は解雇されることを恐れ、これに従ったが、運転中に居眠り状態となって事故を起こしたものとみられている。

警察では先月20日に配車係の男を道交法違反(過労運転容認)容疑で逮捕していたが、取り調べによって親会社の社長の関与も明らかになったため、同容疑での逮捕に踏み切った。

取り調べに対し、社長の男は「子会社に勤務する運転手に指示したことは無い」と容疑を否認しているという。

《石田真一》

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