クルマを走る凶器に…故意に追突した男に実刑判決

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前方に割り込まれたことに腹を立て、バイクへ故意に追突する事故を起こし、運転していた男性に全治3カ月の重傷を負わせたとして、危険運転致傷と道路交通法違反(ひき逃げ)の罪に問われた40歳の男に対する判決公判が5日、横浜地裁川崎支部で開かれた。

裁判所は懲役3年の実刑判決を言い渡している。

問題の事故は今年5月7日深夜に発生している。同日の午後11時20分ごろ、神奈川県川崎市高津区子母口付近の市道で、左折のために減速していたオートバイの後部に後続のワゴン車が激突した。

弾みでバイクは転倒し、運転していた日本唯一のプロトランポリン選手である30歳の男性は右肩の骨を折るなど全治3カ月の重傷を負ったが、追突したワゴン車はそのまま現場から走り去った。

警察では重傷ひき逃げ事件として捜査を開始。まもなく近所に住む40歳の男が捜査線上に浮上し、任意で事情を聞いていたところ、容疑事実を大筋で認めたために業務上過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕した。

ところが男は逮捕された直後から供述を一変。「自分は悪くはなく、追い越したバイクが悪い。目前での車線変更に腹が立ち、こらしめてやろうと思った」などと、故意に追突したこと認めるとともに、「バイクが倒れた瞬間には“ざまあみろ”と思った」などという悪質な発言も繰り返した。

このため、警察では送検時に容疑を危険運転致傷に切り替え、検察もこれを支持して同罪で起訴していた。

5日に行われた判決公判で、横浜地裁川崎支部の菱田泰信裁判官は、被告が故意に幅寄せを行ったり、追突したという検察側の主張を認めるともに、「被告は走る凶器としてクルマを運転しており、故意に追突するという行為はあまりにも無謀で悪質だ」と指摘し、懲役5年の求刑に対し、懲役3年の実刑判決を言い渡した。

《石田真一》

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