【新型ポルシェ ボクスター 海外試乗】その1 本来のアイデンティティに回帰した…河村康彦

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【新型ポルシェ ボクスター 海外試乗】その1 本来のアイデンティティに回帰した…河村康彦
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『911』は40年以上の歳月を掛けて現在のブランド力を築き上げてきた。対する『ボクスター』はまだわずかに8年。それゆえ、こちらはまだまだそのイメージを強化していく必要がある…新型ボクスターを前にしての「見た目のイメージがあまりに変わらなさ過ぎるのではないか…」というボクの疑問に対する本社スタッフの第一声は、そんな内容のものであった。

それでも6年半に渡って“初期モデル”を所有してきたこちらにとっては、新型のキープ・イメージのスタイリングにはまだ食い下がりたい気持ちもある。「そうはいってもとくにリアビューなどは、やはり従来型に余りにも似過ぎてはいないか」と。が、いっぽうで現在のポルシェ社の絶好調な業績が、同社が描く販売へのシナリオ・戦略がことごとく的中をしてきたからであるのを知ってしまうと、それ以上に強いコメントを口にし難くなってしまうのも事実。確かに新旧を並べれば前後のフェンダーの“峰”なども、よりシャープな造形になっていたりはするのだが…。

そうしたなかでこれまでの“涙目”型を廃し、新たに“卵型”のヘッドライト採用でフロントマスクの印象が大きく変わったのは、むしろ兄貴分である911のファンにとっての朗報となりそう。じつは従来型のボクスター/911(996)の開発時期は、ポルシェ社の業績が大きく落ち込んでいたタイミング。それゆえ、両者には最大限の部品共有化が求められ、結果いずれもが同じフロントマスクで登場となった。ひと足早くデビューした初代ボクスターのオーナーはともかく、それよりも遥かに高い金額を支払うことになる911のオーナーはやはりそれでは面白くなかったはずだ。

今回のモデルチェンジでは911のほうが先のデビュー。そして、そこに採用された新しいマスクこそ、だから「911が元来使いたかった顔」と表現をしてもよさそうだ。(つづく)

■スペック
・全長×全幅×全高(mm):4329×1801×1295
・ホイールベース(mm):2415
・トレッド前/後(mm):1490/1534(ボクスター)
            1486/1528(ボクスターS)
・重量(kg):1295(ボクスターMT)
       1345(ボクスターS MT)
       1355(ボクスター AT)
       1385(ボクスターS AT)

《河村康彦》

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