睡眠3時間、過密スケジュールが生んだ死亡事故

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山形県警は22日、先月23日に天童市内で発生した追突事故は、追突側の大型トラックを運転していた男の過労運転が原因だったとして、この男が勤務する運送会社(法人)と、この会社で運行管理者を務める47歳の男を道路交通法違反(過労運転下命)で書類送検した。

山形県警・交通指導課によると、問題の事故は10月23日の未明に発生している。同日の午前0時30分ごろ、天童市原町付近の市道で、路側帯に停車していた乗用車に対し、後方から走ってきた大型トラックが減速しないまま追突した。

この事故によって乗用車は大破し、後部座席に乗っていた1歳の男児が頭などを強打して収容先の病院で死亡。乗用車を運転していた28歳の女性も頭部を切る重傷を負った。

警察では大型トラックを運転していた33歳の男を業務上過失傷害容疑で現行犯逮捕、男児の死亡後は容疑を同過失致死傷に切り替えて捜査を続けていた。

その結果、大型トラックを運転していた男は事故の4日前から過密なスケジュールでの勤務が続き、事故前日の睡眠時間は約3時間だったことが事情聴取によって明らかになった。

運転手は疲労感を覚えながらも、会社の指示通りに荷物を運送していたが、事故の直前に眠気を覚え、居眠り状態で事故を起こしたという。

警察では「過重労働は運転手の考えだけで行われたのではなく、運行に無理があるスケジュールを指示した会社側の責任がより重い」と判断。法人としての運送会社と、事故を起こした運転手に輸送スケジュールの指示を行った運送管理者の男を道交法違反(過労運転下命)で書類送検した。

山形県内において、過労運転下命で運送会社などの摘発が行われるのは約10年ぶりとなる。

《石田真一》

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