「クルマが燃えていた」遺族の執念、目撃者の証言を引き出す

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大阪府警は24日、今年7月に大阪市西区内で発生した死亡ひき逃げ事故の容疑者として、35歳の女を業務上過失致死傷と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕するとともに、クルマを燃やして証拠隠滅を図った34歳の男も逮捕している。

大阪府警・西署によると、事故は今年7月16日の朝に発生している。同日の午前7時ごろ、大阪市西区北堀江1丁目付近の府道交差点で、信号待ちをしていた原付バイク2台に対し、後方から走ってきたワゴン車が激突した。

この事故で2台のバイクは転倒し、24歳の女性が全身を強く打って死亡、49歳の男性が重傷を負っている。クルマは事故を起こした直後、強引に車線変更して現場から逃走している。

警察では死亡ひき逃げ事件として捜査を開始。目撃証言から事故を起こしたクルマは黒色のトヨタ『マークIIブリット』と断定し、その行方を追っていた。遺族も情報提供を呼びかけるチラシを作成し、事故現場近くで連日のように配布するなどしていた。

この結果、報道などで遺族の活動を知った男性から「マークIIブリットが事故から2日後の7月18日、大阪市西淀川区の工業団地内で車両火災を起こして全焼した」という情報が寄せられた。

当初は事故とは無関係の扱いになっていたが、後の調べでこのクルマが盗難されたものであることが判明。しかも事故によって生じたと思われる痕跡が車体に残されていたことも現場検証時に撮影された写真によって明らかになった。

警察では容疑者がクルマに放火して証拠隠滅を図ったものと断定。その後の捜査で住所不定・無職の35歳の女がこのクルマを乗り回していたことが判明。また、別件で逮捕されていた34歳の男が女から依頼を受け、クルマの処分を行った可能性が高くなった。

警察は24日までに女を業務上過失致死傷と道交法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕し、男を証拠隠滅容疑で再逮捕した。

2人は取り調べに対して容疑を全面的に否認しているが、警察では2人を厳しく追及。クルマの入手から処分に至るまでの経緯を調べる方針だ。

《石田真一》

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