【D視点】オペル アストラ …デザインの挑戦、マーケティングの不気味

自動車 ニューモデル 新型車
【D視点】オペル アストラ …デザインの挑戦、マーケティングの不気味
【D視点】オペル アストラ …デザインの挑戦、マーケティングの不気味 全 17 枚 拡大写真

★ゴリ押しか? GMオペルの奇妙なブランド戦略

ところで、プレミアムなデザインを気に入ってオペル・アストラを購入しようかと検討している人が、アストラはGMのエントリーモデルだと聞かされたら、腰が引けるのではないか。

GM(ジェネラルモーターズ)は、オペルをGMブランドのエントリーブランドと位置づけ、さらに新型アストラをその機軸車種としているのだ。オペル・アストラを買った人が、やがてGMの大きなクルマのユーザーになるのが望みということだ。

アメリカの自動車メーカーはその大多数のクルマを自国で販売しており、日本やヨーロッパではアメリカ車に対して馴染みがなく、プレミアムなイメージもない。日本やヨーロッパでアストラをプレミアムなクルマとして売り出すのなら、GM色を強調するメリットはない。

GMでは考え抜いた戦略なのだろう。自国では、ヨーロッパ車にプレミアムマーケットを食い荒らされている。プレミアムなオペル・アストラのユーザーが、やがてGMの大きなクルマのユーザーになるストーリーが完成すればハッピーエンドだ。その頃にはGMの多くのブランドがプレミアムになっている計画もあるに違いないから。

一見違和感のある戦略も、そんな遠大な計画のスタートと考えると、いかにもアメリカらしくダイナミックで微笑ましい。GM本体の建て直しを第一に考えるのも、マーケットボリュームを勘案すれば妥当性がないわけではない。

アメリカは今や世界最強の国、GMも自動車業界の巨人。いずれもナンバーワンの常として、自分の考えを強引に押し付ける傾向があるようだ。成果や如何。

★ポスト空力デザイン
★オペルに福を呼び込む獅子頭
★ゴリ押しか? GMオペルの奇妙なブランド戦略

  1. «
  2. 1
  3. 2
  4. 3

《松井孝晏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. ホンダ『CB1000F SE コンセプト』を世界初披露! カウルが付いてネオレトロ感アップ、MSショーからの変更点もチェック!
  5. 自動車購入の落とし穴! 公取協・公取委の警告から学ぶ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る