【新型ポルシェ ボクスター 海外試乗】その3 熟成したパワートレーン…河村康彦

自動車 ニューモデル 新型車
【新型ポルシェ ボクスター 海外試乗】その3 熟成したパワートレーン…河村康彦
【新型ポルシェ ボクスター 海外試乗】その3 熟成したパワートレーン…河村康彦 全 6 枚 拡大写真

そんな新型『ボクスター』の心臓に火を入れる。ベーシックバージョンたる“ボクスター”が2.7リッター、ハイパワー版の“ボクスターS”が3.2リッターのフラット6エンジンを搭載、というのは、従来通りの展開だ。

新型ボクスターに用意をされるMTは前者用が5速で後者用は6速仕様。ただし、今回の国際試乗会に用意をされたモデルは、“ボクスター”もオプション設定の6速MTを装着していた。

当然ながら、もっとも強力な加速を味わわせてくれるのは「“S”のMT仕様」ということになる。このモデルが発表する0-100km/hデータは5.5秒。最高速も268km/hに達するから、それはまさに一級スポーツカーにふさわしい快速ぶりといってよいだろう。

2.7リッターモデルの加速感も、前述のようにテスト車が6速MTを採用していたこともあってかなかなかにダイナミックでゴキゲンだ。ボクスターならではの加速サウンドが従来型よりもクリア度を増して感じられたのも印象的には大きなプラス。新型用のエンジンは、吸排気系のリファインで出力アップを実現していると同時に、エアフィルターケース内に“調音”用のデバイスを採用するなどで心地よいサウンドにも磨きをかけているのである。

いっぽうで「ちょっと惜しいな」と感じたのは、ATに進化が感じられなかったこと。このところの最新ATがより多段化の道を歩むにもかかわらず、このクルマのそれは相変らず5速のまま。しかも、全力加速以外のシーンでは2速発進の制御を行なうから、実質的には通常時は“4速AT”としてしか機能しない。結果、シフトのたびの大きなエンジン回転の変動にやや旧態依然とした印象が免れないのだ。

じつは現在、ポルシェには「近い将来VW/アウディの“DSG”のような、ツインクラッチ式の新トランスミッションを採用する」というウワサがある。果たして今回ティプトロニックが“置き去り”にされたことは、それと関係があると受け取ってよいのであろうか…。(つづく)

《河村康彦》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日本とは違う『カローラセダン』に「GRスポーツ」が登場、ステアリングもGRがチューニング
  2. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
  3. 航続262kmの新型電動バイクが約10万円から、ビンファストが2モデル発表
  4. 日産『エクストレイル e-POWER』、338馬力デュアルモーターの「e-4ORCE」をインドネシア投入
  5. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る