キーを抜くのは妥当、引きずり降ろすのは過剰

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職務質問した警察官が過剰に身柄の取り押さえを行ったたことで負傷したとして、窃盗罪で服役している52歳の男性受刑者が千葉県(千葉県警)を相手に損害賠償を求めた国家賠償訴訟の判決が11月29日、千葉地裁で行われた。

裁判所は千葉県に対し、18万円の損害賠償を命じている。

問題の事件は昨年6月27日に発生している。千葉県岬町内のスーパーマーケットで男(今回の原告)が弁当を万引きし、クルマで逃走したとの通報が警察に寄せられた。

千葉県警・大原署の地域課員が付近を捜索していたところ、容疑者が逃走に使用したクルマを発見。職務質問のために2人の警官がこれに近づいた。

だが、運転していた男はクルマのエンジンを掛けて逃走しようとしたため、1人の警官が窓から手を入れてキーを奪った。

さらには男をクルマの外に引きずりだし、地面に押さえつけるなどして拘束。男はこの際に抵抗し、顔や腕などに擦過傷を負った。

男は取り調べ時に犯行を自供して窃盗容疑で逮捕されたが、「キーを抜いた段階で逃走はできなくなっており、その後に押さえ込むなどの行為は過剰かつ違法な捜査だ」と主張し、千葉県に対して総額60万円あまりを求める国家賠償訴訟を起こした。

これに対して警察側は「路上に押さえつけることはしていない」、「容疑者本人が自分で路面に倒れた」などと主張。全面的に争う姿勢を見せていた。

11月29日に行われた判決で、千葉地裁の小磯武男裁判長は「警察側は自分たちにとって都合が良いように供述を変遷した可能性が高い」と、押さえ込みをしていないとした警官の主張を真っ向から否定した。

その上で「クルマのキーを引き抜き、抑止した段階で職務質問は実施できるものと考えるのが妥当であり、クルマから引きずり出すという行為は過剰捜査にあたる。これは許される限界を超えた違法な力の行使に当たる」と認定し、千葉県に対して18万円の損害賠償の支払いを求めた。

《石田真一》

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