中央自動車道や東京外環自動車道の精巧な偽造券が大量に出回るという事件を受け、日本道路公団(JH)は2日、来年3月末までにこれら2路線での回数券販売を停止することを明らかにした。今後はETCを利用した割引サービス導入を検討するという。
これはJHが2日に発表したもの。これまで高速道路用回数券の偽造といえば、利用者が多く、換金もしやすい首都高速・東京線(首都高速道路公団発行)のものが主流だった。
だが、首都高速・東京線の回数券は、偽造防止の技術を強化した新デザイン券が今年6月下旬発売分から導入され、偽造が困難になってきた。
ところが、これと時期を同じくして中央自動車道の均一料金区間や、東京外環自動車道の偽造回数券が東京都内の金券ショップなどに大量に持ち込まれ、換金されるという事件が相次いで発生。これと同時に料金所で実際に使用された偽造券も発見されている。
これまでにも様々な偽造防止対策が施されてきたが、JHでは「現状以上の防止対策は難しく、偽造券の利用を止めるためには回数券の販売を停止も止むを得ない」と判断。
その第一弾として中央自動車道と東京外環自動車道の回数券を来年3月末で販売停止とする措置を決めた。
また、JHが管轄する他の高速道路についても、公団民営化が実施される来年10月までに段階的に停止する方向で検討を始めており、将来的にはETCでの割引サービスにスイッチしていく考えだ。
この日には業務用の印刷機器を使い、今回の発売停止が決まった2路線の回数券を大規模に偽造したグループが警視庁によって摘発されている。
これに関連してJHでは「偽造券に対しては、警察や金券ショップ、チケット商組合などの関係機関とも協力・連携して対応してきた結果が、今回の大量逮捕につながったものと考えております。今後も、こうした警察などとの連携を続けるとともに、公団としても偽造対策を強化してまいります」というコメントを発表している。