【VW ゴルフGTI 海外試乗】その1 新境地に達したパフォーマンス…河口まなぶ

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【VW ゴルフGTI 海外試乗】その1 新境地に達したパフォーマンス…河口まなぶ
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キーを受け取って、スタートさせた瞬間に、思わず唸ってしまった。なぜなら、タイヤがひと転がりした瞬間ですでに、『GTI』は極めて洗練された乗り味を伝えてきたからである。

驚きにはれっきとした理由がある。じつはウチに今、ゴルフ『GT』が自家用車としてあるわけだが、GTIはそれよりも乗り心地がよかったのだ。ウチのGTは16インチ、GTIは17/18インチ…。つまり5代目となるゴルフの登場から約1年遅れてラインナップされたGTIは、より熟成が進んだモデルだったのである。だからこそ17/18インチですらサラリと履きこなしていたのだろう。

そのままポールリカール・サーキット周辺の一般道へと出て行く。もちろん印象は不変、いやむしろ、これがGTIなのか? という疑念さえ浮かんだというのが正直なところ。つまりそれほどに、洗練された乗り味が持続している。もちろん路面コンディションはそれほどよいワケではない。しかしGTIは突き進んでいく、まるでフラットな路面を走っているようにして。だから試乗を初めて5分足らずで、ボクはすっかり参ってしまったのだ。

VWのスタッフに聞くと、「GTとは、サスペンションとスタビライザーが違うだけ。もちろんノーマルよりもハードな設定としている」と、何食わぬ顔でいった。「でもウチのGTより乗り心地がいいですよ」というと、とても困った顔をした。「そんなハズはないのだけど…」。
でもボクは確かにそう感じたのだから仕方ない。

こんな風に書くと、GTIが甘口になったと思われかねないから書いておくと、決してそんなことはない。当然ながらパフォーマンスはノーマルよりも格段にアップしており、ハンドリングは極めてシュアなものとなっている。事実ワインディングでは、フラットさを失うことなく頼もしいほどのスタビリティを感じさせながらコーナーを駆け抜ける。どこまでもステアリングがついて行って、コーナー通過速度がどんどん上がる。そんなさまにブ厚い信頼を寄せることができるほどだ。

エンジンもいい。何よりいいのはサウンドで、かつての『R32』ほどではないが、それと肉薄する迫力のサウンドを発する。もちろんパワー/トルクもじゅうぶん以上。アウディ『A3スポーツバック』と同様の2リッター直噴ターボは、どの回転からでも望むだけの力を得られ、極めて高いドライバビリティを発揮する。これは組み合わせられる2ペダルMTのDSGによる部分も大きい。実際、世界でもっとも滑らかな2ペダルであるDSGは、全域で力強い直噴ターボのような特性のエンジンとの相性が抜群で、実用性とスポーツ性を兼ね備える。DレンジはATと変わらぬ制御で効率的に変速を行ない、MTモードは高いダイレクト感と変速の素早さを発揮。さらにSレンジもシフト操作せずに高回転を使えるインテリジェントな設定…これで直噴ターボを操るのだから、まさに最強の組み合わせ、である。(つづく)

《河口まなぶ》

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