「残業は嫌」とアルコール検知しなかった警官

自動車 社会 社会

警視庁は10日、追突事故の加害者に飲酒運転の可能性を見出したにも関わらず、自己の帰宅時間が遅れることを嫌い、アルコール検知を実施しなかった深川署・地域課に所属する55歳の巡査長に対し、戒告の懲戒処分を実施した。

直属の上司である同署の地域課長も警務部長訓戒の処分を受けている。

警視庁によると、被疑者のアルコール検知を実施しなかったとして戒告処分の対象となったのは、深川署・地域課に所属する55歳の巡査長。問題の事故は今年7月28日の朝に発生している。

同日の午前7時ごろ、東京都江東区新木場付近の区道で乗用車同士の追突事故が発生。110番通報を受け、この巡査長が現場に駆けつけた。

だが、巡査長は事故を起こした31歳の男が明らかに酒臭かったにも関わらず、これには触れずに前方不注意として処理。飲酒運転の嫌疑が掛かった場合に必要とされるアルコール検知を実施しなかった。

後日、被害者側から警察に対して「相手は明らかに飲酒運転とわかる状態だったのに、現場に駆けつけた警察官はそれを確かめようともしなかった」という内容のクレームが入った。

上司がこの巡査長に対して事実関係を問いただしたところ、巡査長は「飲酒運転絡みの事故だということはすぐにわかったが、その場合は事故の処理や聴取に時間が掛かり、帰宅が遅くなると思ったために見逃した」などと供述。故意に検知を行わなかったことを大筋で認めた。

この日、巡査長は午前10時で勤務が終わる宿直勤務に就いていた。飲酒運転に絡む事故の場合、加害者側の供述調書を取らなくてはならず、この作業に数時間を要すため、これを嫌ったらしい。

警視庁では「自己の都合を優先した、明らかな怠慢」として、この巡査長に対して戒告の懲戒処分を。上司の地域課長に対しては連帯責任として、警務部長訓戒の懲戒処分を実施している。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. セナのF1マシンにインスパイア、12台限りのロータス『エミーラ』が公開…IAAモビリティ2025
  2. 日産の新デザイン、『セントラ』新型を米国発表…「Vモーショングリル」に新解釈
  3. 「本気の電動二輪が出てきた」ホンダ初のフルサイズEVバイク『WN7』発表にSNS沸く
  4. トヨタと別れ独自開発? BMW『Z4』次期型の最終デザインを占う!
  5. 日産『マイクラ』新型、全車EVで約320万円から…英国で予約開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る