2月28日午後、大阪府東大阪市内で駅前のロータリーに運転手不在で停車していた路線バスが突然動き出し、約30m先にある歩道のガードパイプに衝突して停止した。
すでに乗車していた客5−6人が慌ててバスから飛び降たが、逃げることができなかった82歳の女性が衝突の衝撃で転倒して軽傷を負っている。
大阪府警・布施署によると、事故が起きたのは2月28日の午後1時30分ごろ。東大阪市下小阪5丁目付近にある近鉄八戸ノ里駅前のロータリーで、バス停に停車していた近鉄バスが運行する路線バスが、運転手不在のまま突然ゆっくりとしたスピードで動き出した。
当時このバスの車内には発車を待つ乗客5−6人がいたが、異変に気づいて開いていたドアから次々に飛び降りた。しかし、このうちの82歳の女性は唯一逃げ遅れてしまった。
バスは約30mの距離を無人で走り、歩道とロータリーを隔てるガードパイプに衝突。逃げようとドア近くまで来ていた女性はこの衝撃で車外へ転倒。顔などを打撲する軽傷を負って病院で手当てを受けている。
警察では35歳のバス運転手から業務上過失傷害容疑で事情を聞いているが、運転手は「エンジンは動いている状態だったが、ギアはニュートラルに入っていたし、サイドブレーキも掛かっていた」と供述。不備は無かったことを強調している。
ただし、会社側は「バスから離れる際にはエンジンは切るように指導している」と警察に対して回答しており、今後は運転手がどのように安全確保をしていたのか、車両に不具合が生じていなかったのかなどを調べていく方針だ。